五島市奥浦町にある「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産の一つ、堂崎教会の「献堂百周年祭」の概要が一日までに決まった。主催は、堂崎天主堂献堂百周年記念事業実行委(真浦健吾会長)。日程は、五月十、十一の両日。場所は堂崎教会野外ステージ。十日は、午後二時から奥浦混声合唱団、福江少年少女合唱団、地元のシスターらによるコールアンジェラスのコンサート、野下千年中町教会主任司祭の記念講演、演奏トリオ「楓雅」や長崎カトリック合唱団のコンサート。十一日は、午後一時からマルマン、ペルー像除幕、奥浦出身で日本人初の海外宣教師としてブラジルへ渡り「移住者の師」と慕われた故中村長八神父ゆかりの木の植樹、パリミッション管区長講話のあと、記念ミサを執り行う。 堂崎教会は、信徒発見後の一八六八年、久賀島から始まった五島全島でのキリシタン弾圧「五島崩れ」を経て七九年、マルマン神父が建立。全五島の宣教活動の本拠地とし、潜伏キリシタンの発見などに尽くした。現在の天主堂は、ペルー神父によって完成し一九〇八年、献堂式が挙行された。 実行委員の木口利光さんは「堂崎教会や信仰の歩みを広く知ってほしい。教会で保存している文化財についても市民と信徒が再認識するきっかけにしたい」と話している。
<平成20年4月2日 長崎新聞掲載記事>